配当金の使い方

株主優待を勧める理由(上)

 株主優待銘柄で資産形成をするのはお勧めしない人は多くいます。確かに本来求めるものは配当(インカムゲイン)と値上り益(キャピタルゲイン)を組み合わせて資産を増やしていくのですから、運用側からしたら株主優待は邪魔でしかありません。しかし私は株主優待は初心者向きということと、資産運用を長く行っていくには人によってはメリットがあると考えています。私自身も資産形成の中で株主優待の占める割合は大きいです。それではメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット
1. 資産運用を実感できる
 資産運用を始めても実感を得なければ飽きてしまいます。基本的に多くの人は学生時代数学が嫌いだという人が多い現実を考えると、証券会社に預けているお金の数字が増えてニヤニヤしながら喜ぶ人は多くはないでしょう。特に10万円で運用しても1年で1,000円くらいしか配当金が増えないわけですから実感し難いです。そもそも値下がりしたら配当金以上に下がってます。
 株主優待だと会社にもよりますが3,000〜5,000円の商品券や商品が配当金とは別に送られてきます。送られてきた優待は、例えば飲食店であれば家族で食事に行ったり自身の昼食に使ったりすることができます。多くの場合普段よりもグレードの高いものを頼んでいる人が多いです。これは資産運用を良い意味で実感できます。そしてこの優待には「期限」があります。だからこそ何の躊躇もなく使うことができます😁

2. 会社の状況を知りやすい
 基本的に株主優待銘柄を購入するときは自身が普段行くお店になります。そうするとその会社の状況を日頃から実感することができます。例えばいつも行っているチェーン店が値上げしたり、味が変わったりすると、「これは売れるだろうな」とか「こんなんだと二度と行かない」と思うはずです。その実感は自分だけでなく他の人も同じことを考えています。そのような現場の実感は市場よりも早く入手できるわけですから、株価が下がる前に売ることも可能です。
 また会社によりますが、アサヒグループやライオンは新商品や試作品を株主優待として送ってくることがあります。そういったものをもらうと企業戦略やこれからのトレンドを知る良い機会となります。

3. 株価が下がりにくい
 株価が急落しても優待銘柄は下がりにくい特徴があります。それは優待券も利回りとして計算する個人株主が暴落時に購入するためです。代表例で言えば「日本マクドナルド」です。ここの優待はファン層が厚いのと全国展開していることから、個人投資家が買い支えしていることからなかなか下がりません。

4. 家族の理解を得やすい
 1でも書きましたが、家族で使えるものや商品が届くとみんな半年後に届くのを期待してしまうケースが多いです。特に育ち盛りの子供がいる家庭だと、お金を気にせずお金を使えることはプライスレスです。
 日本では投資はまだまだ一般的ではありません。特に資産運用を「投機」と考えている人は大勢います。そのような人を説得するには良いやり方です。

5. 種銭を作りやすい
 資産運用をする上で一番大事なのは「いかに多くの種銭を作るか」ということです。種銭を作るには「収入を増やす」か「支出を減らす」の二択しかありません。株主優待は「支出を減らす」事に貢献します。そもそも株主優待をもらう事で余計に消費が増える人はほとんどいません。今まで通りの生活をしながら支出が減ることが可能です。そのため資産運用に回すお金が自動的に増える事になります。

6. 個人株主を大事にする会社が多い
 株主優待銘柄は基本「B→C」(個人相手NO商売)が多いです。そのため経営人は「株価」「配当金」「優待」には神経質です。特にSNSが発達した現在ではうかつな事をすると個人株主がクリック一つで売却してしまいます。今回のコロナ禍で多くの企業の株価は暴落しました。そんな中第一興商は自社株買いを行い株価の下支えを行いました。株主を大事にする会社は最終的にファンが増えて株価が上がる感覚を持っています。そのような企業は長期投資に向いていると言えます。

少し長くなりましたので、デメリットは次回書きます(すいません)

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