今回来たのは日本製紙の「登記上」の本社です。日本企業、特に歴史ある企業は自社の歴史は大事にします。特に創業の地にはこだわる会社も多いです。そのため本社機能は他所に移っても、創業の地はそのまま登記上残すことはよくあります。
最寄り駅は王子駅。ここにはJR東日本(京浜東北線)と都電荒川線、東京メトロ(南北線)の3つが最寄り駅となります。
現在JR王子駅東側にある「サンスクエア」ここ一体が日本製紙の登記上本社となっています。このサンスクエアの建物の最上段を見ると、
サンスクエアの一番看板として広告力があるところに「日本製紙グループ」を文字だけ入れています。ただこの看板、広告というよりかは「ここは日本製紙が所有している」アピールにも見えますね。
これはサンスクエア(王子製紙の登記上本社のある箇所)の航空写真です。都心の一等地なのにゴルフ練習場と古い商業施設。普通であればここに自社ビル建設するか大規模商業施設を開発するよう株主に叩かれるような場所です。なぜ日本製紙は一等地をこのような形で保有しているのか。それはここは明治維新で日本の近代化に欠かせない製紙工場が初めて建設された場所だからです。そしてこの日本初の製紙会社を作った人はこのおじさんです。
日本初の製紙会社を作った中心人物は今話題の「渋沢栄一」です。明治6年に会社ができたときは「抄紙会社」ですその後「王子製紙(初代)」となります。なんか現在の王子製紙(4代目)の名前の由来もわかりますね😅日本製紙は戦後の王子製紙が財閥解体で分裂して紆余曲折してできた会社なので、元は同じなのですよね。
JR王子駅を跨いで反対側に飛鳥山公園がありますが、ここに渋沢栄一の家があります。なので工場まで徒歩圏内です。渋沢栄一がどれだけこの製紙工場に力を入れていたのかがわかりますね。
現地には奥に製紙発祥の地として石碑があります。「和紙はもっと昔からある」と言われますので、一応ここでは「洋紙」を指します。
裏には簡単な歴史や関係者の名前もあります。そこには渋沢栄一の名前もあります。ここに十條製紙とありますが、これが王子製紙(初代)が財閥解体で解体させられた会社の一つであり、日本製紙の前身です。
石碑の裏には簡単ですが写真入りで解説されています。
こちらは左側です。渋沢栄一のことを「グランド・オールド・マン」というんですね。
石碑は読みにくいので、ステンレスの看板が新たにつけられてました。
写真を見て思ったのが、製紙工場の横に国立印刷局があるところに興味が湧きました。洋紙を大量に作っても消費しないといけません。当時紙を大量にしかも定期的に使用するのは政府の刊行書籍や紙幣になります。この辺りの政府との連携はさすがといったところでしょうか。
今の工場では考えにくいのですが、横に流れている川が結構重要だったようですね。また地図で見ると、当時の王子は製紙関連の会社が多くあったのが一眼でわかります。
ここは打ちっぱなしのゴルフ練習場となっています。3階まであるので、利用者はかなりいるようです。そりゃそうですよね。都心駅前の一等地であればせいぜいインドアゴルフクラスなわけですから。ちなみにこのゴルフ練習場の周囲にあるものは、今も国立印刷局です。
国立印刷局は引き続きここで事業を継続するようですね。国立印刷局にとってもこの場所は重要なのでしょう。
サンスクエアには日本製紙の事務所は内容で、中は完全に商業施設です。
荒川線の王子駅は結構大きいです。王子は何気に利便性が良い場所ですね。
今度の大河ドラマは渋沢栄一ということもあり、ゆかりのある王子では色々とイベントをやっているようです。コロナ禍であるので外出は厳しいかもしれませんが、機会があれば見てみたいですね。